‘お葬式をする意味’

葬儀と告別式

仏式のお葬式に参列すると、
「葬儀・告別式を行います」という司会のアナウンスを耳にしたことがあるかと思います。

現在では、葬儀と告別式を同時に行っていることがおおく、
どんな違いがあるのか、という点で不思議に思われる場合もあるのではないでしょうか。

その違いについてお話してみます。

もともと、葬儀と告別式は、まったく別のものです。

葬儀は「葬式」とも言われます。
これは、「葬儀式」とか「葬送の儀」ということばが簡単になったもの。
故人の冥福を、遺族や親戚で祈り、そして成仏してくださいね、と願うための儀式でした。

そういう意味で、そもそも、お通夜と葬儀は、故人に近い人々が集まって行われるもの、
そして、故人のためにあるものです。

それに対し、告別式は何かといいますと、
故人の知人、友人が、故人と最後のお別れをするために行う儀式です。
本来の目的が違うのですね。

最近は、ここを簡単にし、葬儀のあとにそのまま告別式を行うことが多いです。
僧侶の読経のあと、参列者が焼香をするということもよくあります。

本来の葬儀、告別式の意味合いから言いますと、
僧侶は葬儀の読経の後、いったん退室し、ふたたび入室して告別式を執り行うのが正式です。

葬儀、告別式は別の目的がある、ということを知っておくといいですね。

お葬式をする意味 仏式の場合

お葬式の宗教的な儀式としての意味を考えてみましょう。
まずは、日本の葬儀の9割以上がを占める仏式のお葬式についてです。

お葬式は亡くなった方のために行われるものですね。
身体から離れた魂・霊を慰め、あの世でも幸せでありますように、というお祈りの意味があります。

この「祈り」のことを仏教では”供養”というのです。
これは、サンスクリット語からきているのだとか。
プージャー、プージャーナという言葉の訳なのです。
仏・菩薩・などに、お香やお花、燈明、そして食べもの、飲み物・・お供物をささげることを意味します。

仏式のお葬式では、
仏壇や祭壇に合掌することから始まります。

そして、僧侶の読経が流れる中ご焼香をし、その後合掌して終わるというのが流れです。

お葬式をする意味

お葬式はなぜ行うのでしょうか?
昔から、人は、大切な人が亡くなるとお葬式を出してきました。
お別れの意味もあり、区切りの意味もあり、ひとりの人間の人生を振り返り、残された人の心を慰める意味もあり、
さまざまな思いでお葬式をしてきたのです。

これまでの歴史の中で「儀式」として受け継がれた「お葬式」

実際、どのような意味があるのでしょう?

まず、あげられるのが「宗教上の儀式」として行うこと
日本では仏式が一般的ですが、ほかに神式、キリスト教式とそれぞれの宗派によって行います。

亡くなった方を送るため、祈りを届ける、捧げるための儀式ですね。

次に、「社会的な儀式」として行うこと。
人は、様々な人とかかわって生きているのです。
社会の中に存在する「人」としての区切りとしてのお葬式です。

他には、精神的な意味合いで行うこと。
大切な人を亡くした、ご遺族が哀しみを癒し、気持ちを整理し、区切りとして
それから先の人生を生きるための時間としてお葬式を行います。

最後に法的な意味で行うこと。
ご遺体をそのままにしておけません。違法になってしまいます。
また、様々な手続きもございます。
そういった意味でもお葬式は意味を持っているのです。

どれも大切な意味をもち、どれか一つがなくてもいい、というものではありません。
お葬式のそれぞれの意味を知り、理解し、お葬式を行う理由を考えていただけたらと思います。

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