‘お葬式の基礎知識’

葬儀社を決定するために

お葬式の形式、どのくらいの人を呼ぶのか、など、
葬儀の形が決まったら、葬儀社をなるべく早く選んで依頼するようにしましょう。

葬儀社は葬儀のプロです。
死亡届などの手続きだけでなく、御遺体を運んだり、通夜葬儀の準備や進行など、
さまざまな仕事を引き受けます。

葬儀をするうえで、葬儀社をしっかりとえらぶことはとても大事です。

葬儀社を選ぶときのポイントは、
有名だから、とか、大きな斎場を持っているから、という点を判断基準にしないことです。

丁寧に対応してくれる
事前相談にも気持ちのいい対応をしてくれる
葬儀でかかる費用について、しっかりと説明し、きちんと見積もりを出してくれる
遺族の希望に耳を傾け、さまざまな提案をしてくれる
小規模の葬儀であっても、親身になって対応してくれる
契約に期限を設けて急がせたり、無理やり決めたりしない
長年営業している信頼された葬儀社である
過去の葬儀の実績を提示してくれる
金額が明確、パンフレットなどでよくわかるようにしている
支払までの時間に余裕を持たせている

このようなポイントで葬儀社を選んでいくとよいでしょう。

ご遺族の希望を聞かなかったり、無理やり決めてしまうような印象を受けたときは、
その葬儀社は避けるようにします。

インターネットでも様々な葬儀社がホームページを構えています。
実際に問い合わせ窓口へ電話を掛けてみて相談をしてみるとよいでしょう。

その時に気持ちよく、親身になって話を聞いてくれるかどうか?という点も
重要なポイントだと思います。

もし時間があるようでしたらその葬儀社へ足を運び、担当者と直接顔を合わせながら、
見積もりをしたり説明を聞いたりすると、その葬儀社の雰囲気や対応の様子が良くわかるのでお勧めです。

密葬とは

密葬とは、身内だけで行う葬儀のことです。
一般の方がたは呼びません。

もともとの「密葬」の意味は、本格的な葬儀、社葬や、本葬などの前に、
親族だけが集まって、火葬をすること、でした。

けれど、時代が流れていくにつれ、
本葬の部分が簡素化、もしくは省略されていき、
密葬だけを行う場合が多くなってきています。

密葬を行う際に気を付ける点は3つあります。

1つ目は、どの範囲まで知らせるのか?ということです。
親戚、友人、など交流のあった方々へどのように知らせていくか、
その点を気を付けなければなりません。

あとあと、知らせがなかった、ということで
責められることもあるので慎重に決めましょう。

また、密葬とはいえ、自宅で行う場合には、
近所に住んでいる人が弔問に訪れる可能性もありますのので、その点も注意が必要です。

2つ目は香典を受け取るか、受け取らないかという点です。

受け取らないと決めたのにもかかわらず、断りきれなかったということも
時々あります。

受け取る、受け取らない、どちらに決めたとしても、
方針を変えないで行くことが大切です。

3つ目は死亡通知をどこまで知らせるかというところです。
密葬が終わった後、亡くなったことを知って弔問に訪れる方もいらっしゃいます。
その際はどう対応するのか、という点を考えておきましょう。

密葬の場合は、新聞の死亡記事への掲載は控えましょう。
新聞記事を見た人が訪れたり、連絡が入ったりすると
身内だけで葬儀を行うことが難しくなります。

葬儀に必要となる係について

葬儀をスムーズに進めるため、様々な係を設けます。
ここでは葬儀に必要となるか係とその仕事内容についてお話します。

喪主:葬儀の最高責任者です。葬儀に関することすべての決定権を持ちます。
弔問は、喪主が主に受けます。
故人ともっとも縁が深い人がなるのが一般的です。

世話役代表:各係のまとめ役です。葬儀社と打ち合わせをする際も出席します。
喪主と相談して、通夜、葬儀の全てを取り仕切る人です。
人望があり統率力がある方に頼むのがよいでしょう。

次に最低限必要とされる係です。

会計係:香典を管理したり、現金の出納や精算、
出納長の記入 などの経理を担当します。 
御葬式ではたくさんのお金を扱うことになるため
親戚や勤め先の親しい人を選びます。

女性の準礼装(洋式)

葬儀告別式に参列する際、
一般の会葬者としての立場ならば、準礼装の喪服を着まyそう。

なるべく目立たないデザインのものが好ましいです。

胸元が大きく開いたものなど、肌が大きく出るものは避けた方がいいです。
ただ、冬場は喪服だけでは寒くてたいへんですね。
その場合は防寒対策としてのコートの着用はかまいません。

コートの色も、黒やグレーを選びます。
毛皮や革のものは避けます。それらは、殺生を意味するためです。

髪が長い場合は黒いゴムなどでまとめておきましょう。
髪飾りは使用しないのが良いですが、もし必要ならば黒を選びましょう。

–まとめますと–

服装は華美でない黒いツーピース、ワンピース、スーツ。
ハンドバッグは手に持つタイプで布製。光沢のないものにします。
革製のものは避けます。
アクセサリーはパールネックレスなどを1つにします。
足元はストッキング黒かナチュラルなもので素肌を出さないようにします。
靴はヒールがある飾りのないものにします。
髪型はすっきりまとめあげます。

枕勤めについて

枕飾りをした後、僧侶にお経をあげてもらうことを
「枕経」とよびます。

そして、枕経をあげてもらうことを「枕勤め」と呼びます。

亡くなって一番初めの仏事が、これです。
僧侶が枕勤めをしている間は、遺族、近親者は後ろに座り、
故人の冥福を、ともに祈ります。

服装は喪服である必要はありませんが、
華美なアクセサリーは控えて、
地味なものを着るようにしましょう。

本来は、枕経は亡くなったあと
すぐに行うものでした。

ですが、現代では、
自宅ではなく、病院で亡くなることもあり、
そうなりますと自宅へ遺体を搬送することになります。

ですから、自宅で遺体を安置してから、行うようになりました。

枕飾りについて

遺体を安置したら、その枕元に、枕飾りと呼ばれる、供物をささげるための、
仮の祭壇を作ります。

その前に、仏壇と神棚が一緒にあるお宅の場合は、
神棚封じをします。

これは、神道では死を「けがれ」ととらえるため、神棚の神様にけがれが及ばないように、
との思いがあります。

神棚封じでは、神棚の扉を閉め、外側から白い紙を貼ります。

枕飾りは、白木か、白い布をかけた台の上に、
「三具足(みつぐそく)」を置きます。
香炉、燭台、花立、の3点です。

そして、香炉には線香を一本立、
燭台にはろうそくを一本灯します。

この火は夜通し絶やさないようにします。

花立には「樒」と呼ばれる枝を差します。
ただ、樒が手に入らない場合は、菊や白百合などの花を用いてもいいです。

ほかには、仏壇の鈴、湯飲みかコップに入れた水をおき、
枕飯、枕団子(6個)を飾ります。

枕飯とは、故人が生前使っていたお茶碗にご飯をてんこもりにして、
真ん中にやはり故人が使用していた箸をまっすぐに立てたものです。

枕団子は上新粉を水で練って作ります。
数は、地域によっては変わります。

このようなセットは、葬儀のセット料金に含まれていることが多く、
葬儀社が用意してくれるのでそろえる心配はありません。

一般的な清拭についてのお話

臨終をつげられ、末期の水を取った後は、
故人を清らかにするために遺体を清めます。

この一連の作業を「湯灌」とよびます。
体を清めるだけでなく、故人の今までの苦しみ、迷いを
遺族が洗い清める意味合いです。

現在は、アルコールに浸したガーゼ、脱脂綿などを用い、
全身を軽くふく形が多いです。
これを「清拭(せいしき)」と呼びます。

本来は「逆さ水」で全身を洗い清める方法でした。
逆さ水とは、たらいの中に水を先に入れておき、
そのあとお湯を足して作ったぬるま湯のことです。

遺体を清拭にて清めた後、
耳、鼻、口、肛門、などの穴に脱脂綿を詰めてきます。

病院でなくなった場合、このような処置は看護師が行います。
また、自宅で亡くなった場合は、葬儀社で行うようになっています。

手伝いたいときには、もちろん、
遠慮なく申し出てもいいのです。

末期の水について

臨終を告げられた後、そこに集まっている近親者で、
「末期の水」を取ります。

順番は血縁の濃い順です。
末期の水とは何かと言いますと、死者が生き返ってほしいと願うきもち、
そしてあの世に行っても渇きに苦しむことのないように、と願う気持ちを込めた
風習です。

死に水とも呼ばれます。

もともとは、息を引き取る間際にしていましたが、
今は臨終後に行われます。

この「末期の水」は本来は仏式の儀式です。
現在は宗教を問わず、行うようになっています。
(カトリックは除きます)

割りばしの先に脱脂綿とガーゼを白い糸でしばりつけたもの、
もしくは新しい筆を用い、

茶碗の水に浸して軽く唇を湿らせます。

病院の場合には看護師さんが湿らせた脱脂綿を用意してくれます。

ですが、病院で行わず、自宅で改めて行うことも多いです。

亡くなられた時にすること

亡くなられた時にすることをお話します。

まずは、死亡診断書を受けとります。
詳しくはこちらの記事へ⇒

お葬式をする際に必要になるため、
菩提寺や宗派の確認をしましょう。

すぐにわからないときには、親族に聞いて、
先祖代々のお墓がある菩提寺があるかどうか
その宗派はどこか、を確認します。

病院で亡くなられた場合には、ご遺体はいったん連暗室に安置されます。
そこからはご遺体を引き取らなくてはなりません。

自宅に運ぶのか、それとも式場に直接運ぶのかを
決めて、搬送の依頼をします。

葬儀社が決まっている場合には、連絡をし、
寝台車の手配をします。

もし決まっていない場合には病院に出入りしている葬儀社に
紹介してもらうとよいでしょう。

病院への支払いは、遺体を搬送するとき、
もしくは翌日にすることが多いです。

お世話になった医師や看護師さんへお礼をしたい場合には
日を改めて出向くようにしましょう。

死亡診断書の受け取りについて

人がなくなった時には死亡診断書の提出の義務があります。
死亡診断書は左右にページがあり、
右側が「死亡診断書」左側が「死亡届」となっています。

もし、病院で亡くなられた場合には、臨終の際に立ち会い、
死亡の確認をした医師によって死亡診断書が書かれます。
その際、署名、押印もその医師が行います。

死亡診断書用紙は、病院や医師が用意していますが、
市区町村役所や葬儀社で入手することも可能です。

ただ、死亡の原因によっては、警察医、監察医による検死が必要となり、
その場合は「死体検案書」を交付してもらうことになります。
その用紙は、検死官が用意することになります。

死亡診断書、死体検案書は葬儀後に必要です。
手続きの際に困らないよう、
その前にコピーを取って大切に保管しておくことをおすすめします。

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